カーテン専門家
カーテン業界歴15年。窓装飾プランナーのマドカです。
和室のカーテン選びに悩んではいませんか?
新築や引っ越し、リフォーム等で「和室にはどんなカーテンを選べばいいか分からない」というご相談をいただくことがあります。
その理由の一つとして考えられるのは、「和室=障子」というスタイルが減ってきているからではないでしょうか。
従来の和室はひとつの部屋として設けられ、窓にも「内障子」が多く使われていましたので、カーテンという選択肢はほとんどありませんでした。
しかし近年では、新築のお宅を訪問すると小上がりの畳スペースやリビング続きの和室というスタイルが殆どで、窓には障子をみかける機会も少なくなっています。
そのため、とくに間仕切りのない畳スペースの和室では、リビングカーテンとの調和や、あまりピンとこない和室のカーテンに悩んでしまうのかもしれません。
そこで本記事では、和室の窓に合う7つの窓装飾(ウィンドウトリートメント)をご紹介します。
※和室に合う素材や色柄についてはこちらの記事をどうぞ。

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【和室の窓のカーテン選び】プロが教える「7つの窓装飾」
現在では窓の環境にあわせて、和室にも様々な窓装飾(ウィンドウトリートメント)を選ぶことができます。
では、1つずつ順番にみていきましょう。
①和室の窓に合う「カーテン」
窓装飾の定番といえば「カーテン」
一見、和室にカーテンはどうなの?と思われがちですが、そんなことはありません。
和室で長く過ごす人の中には「カーテンじゃないと落ち着かない」という意見も。
また、カーテンには和室にぴったりの色柄が多いです。
例えば、小紋柄・つゆ草・水仙・ささの葉などの植物柄や、和の風情を感じる落ち着いたデザインが豊富に揃っています。
さらに、カーテンにはボリュームたっぷりの生地でヒダとヒダの間に空気の層ができ、和室にも「断熱効果」をもたらしてくれますので、和室を寝室代わりにしている人でも、快眠につながりやすいと言えるでしょう。

※和室にぴったりのカーテンを集めてみましたのでイメージの参考に。
和室にぴったりの和柄カーテン15選はこちら
②和室の窓に合う「プリーツスクリーン」
生地をじゃばら状に折りたたむ、スタイリッシュな「プリーツスクリーン」
和室のモダンな演出にぴったりで、和室にはプリーツスクリーンといわれるほど認知度も高まっています。
プリーツスクリーンの素材は、不織布(ふしょくふ)と呼ばれる、繊維を織らずに熱などで接着して絡み合わせたシート状の布です。
やわらかな光を採り入れる和紙調や和織布、光を遮る遮光生地も揃っており、和室のイメージや窓の環境に合わせて選べます。
さらに、1台の商品でレース地と厚地を操作できるツインタイプがあり、採光と目隠しが手軽にできるのも魅力のひとつ。
ツインタイプの布は上下の配置で伸縮しながら開閉するので、1台で2種類の布を操作しても生地がコンパクトに納まります。
さらに、窓枠の内側に設置してもきれいに納まり、両サイドの光漏れも少ないです。
プリーツスクリーンは和室に取りつけると、来客時にも自慢できるほどのモダンなアイテムだといえます。
ただスクリーンを全開するには「上げ下げの操作」が重く感じられるため、出入りの多い和室の窓にはふさわしくないでしょう。


③和室の窓に合う「ハニカムスクリーン」
プリーツスクリーンの一種である「ハニカムスクリーン」
正面から見るとプリーツスクリーンによく似ていますが、大きく違っているのは真横からみたときの形と機能性です。
その形状が六角形にひろがる二重構造になっており、和室に断熱効果をもたらしてくれます。
また、ハニカムスクリーンの素材も和紙調や光を遮る遮光生地が揃っていますので、和室の環境に合わせて選ぶことができます。
さらにハニカムスクリーンとプリーツスクリーンを組み合わせる「ツインタイプ」も楽しめます。

④和室の窓に合う「シャープシェード」
出典:サンゲツ
生地の裏側にシェイパーバーと呼ばれる等間隔の横バーが特徴の「シャープシェード」
シャープシェードは、この水平なバーによって生地が均等にたたみ上がるので、和室のスマートな演出に向いています。
シェードに選ぶ素材が「遮光」や「厚手」のものだとバーが目立ちにくくなりますが、薄手や明るい色の生地を選ぶと、窓からの光でバーが透けて見えシャープシェード本来の表情が活かされます。
また和室に向いているシェードの柄は、光沢のある無地も美しいですし、古風な小紋柄や植物柄、小花柄などもお勧めです。
このように、シャープシェードは横バーがアクセントになり、素材やデザインの美しさを引き立たせるので和室が「粋」な雰囲気に。
またカーテンと同じ素材でコーディネートもできるため、前で述べたように「リビングにはカーテン」「和室にはシャープシェード」というようにスタイルを変えたり、無地で揃えてもバーのアクセントで変化が楽しめます。
但し、シャープシェードはこのシェイパーバーが入ることで、たたみ上げた時の生地の溜り(たたみ代)が少しだけ大きくなってしまう点が。
そのため和室に取付ける際には、窓枠の内側「天井付」よりも、窓枠の外側「正面付」の方が、窓の開口部が大きく使えるでしょう。
※シャープシェードは生地を取外してお洗濯が可能です。(一部出来ないものあり)

⑤和室の窓に合う「ロールスクリーン」
シンプルですっきりとした印象の「ロールスクリーン」
和室の窓をすっきりと演出することができます。
また、ロールスクリーンには2つの風合いがあります。
一つは、生地に特殊な加工を施す、パリッとしたハードな風合いのロールスクリーン。
もう一つは、カーテンと同じ布柄(ファブリック)を熱で圧縮する、柔らかでソフトな風合いのロールスクリーンです。
ソフトタイプはカーテンと同じ生地で作れますので、リビングと和室を同じ色柄でコーディネートしたり、リビングのカーテンは無地、和室には和柄のロールスクリーンという楽しみ方もできます。
また素材が統一できることで、リビング続きの和室でも纏まりやすくなります。
一方、ハードタイプのロールスクリーンには、「和紙をイメージした素材」や「和模様のプリント」といったバリエーションがあります。
色やデザインも豊富ですが、あえて古風なデザインを選ぶと和の雰囲気に馴染みやすいです。

⑥和室の窓に合う「桐の木製ブラインド」
天然木なのに軽さが特長の「桐の木製ブラインド」
天然木は和室にも相性がよく木製ブラインドも人気のウィンドウトリートメントですが、特に桐のブラインドは女性やご年配の方でも操作の負担が少ないのでおすすめです。
個人的に、和室には重厚感のある木製ブラインド(バスウッド)よりも、軽やかな桐のブラインドのほうが似合うと思います。
また、天然木の中でも桐は「軽量な木材」として知られていますが、湿気を通しにくいため古くから「桐たんす」としても有名ですね。
業界的にもまだまだ認知度の低い桐のブラインドですが、和室に木製ブラインドを選ぶときには、ぜひ桐のブラインドにも注目してください。
ちなみに桐の重さを木材で比較すると、バスウッド(一般的な木製ブラインド)の約50前後で、竹の約35%くらいになるといいます。

⑦和室の窓に合う「経木のロールスクリーン」
こちらは、天然素材を用いた「経木(キョウギ)のロールスクリーン」
経木は、主にスギやヒノキなどの木材を紙のように薄く削ってつくられるもので、そのナチュラルな風合いが和室にもぴったりです。
さらに経木のロールスクリーンには、天然の竹を用いた「竹経木」や、経木と不織布(和紙のような素材)を織り込んだ「すだれ調」もありますので、和室のテイストにあわせて素材のタイプを選ぶことができます。
出典:ニチベイ
また竹経木は「天然の木材」を使用していますので、使い込むほどに色の変化が出やすいという点も、その味わい深さが和の空間に向いていると言えるでしょう。
このように、一般的なロールスクリーンとはひと味違う経木のロールスクリーン。
すだれ調タイプは、レースカーテンのような透過性がありますので、外の視線が気にならない和室の窓におすすめです。

「和室の窓装飾」を選ぶときのポイント
和室の窓装飾(ウィンドウトリートメント)を選ぶ際に、抑えておきたいポイントが3つあります。
- 使い手の心地よさ
- 機能性
- 和室とリビングとの調和
使い手の心地よさ
1つめのポイントは、使い手の心地よさです。
これはとても重要で「そこに住む人たち(和室で過ごす家族)」の、使い勝手や居心地まで左右してしまいます。
自信や家族の好みを反映させながら、和室に「心地良い」と感じる窓装飾を選びましょう。
機能性
2つめのポイントは、機能性です。
和室といっても環境は人それぞれですよね。
- 窓の出入りは?
- プライバシー保護は必要?
というように、和室での機能性について考えてみましょう。
そうすると
「カーテンが使いやすい」
「プリーツスクリーンが合う」など
スタイルや素材を決める目安になります。
和室とリビングとの調和
3つめのポイントは、和室とリビングの調和です。
近年の新築に多くみられるのは「リビング続きの和室」や「小上がりの畳コーナー」ですが、このような間取りでは「間仕切りが設置されていない」ことも多いですよね。
このように、和室がリビングとひと続きになっている場合は、和空間とリビング空間との調和がセンスを左右します。
カーテンの色調をあわせると統一感がでますし、変化をつけたいときには、
「リビングにカーテン」
「和室にシェード」
というように、同じファブリックでもスタイルを変えるだけでハイセンスなコーディネートが完成するでしょう。
また、このように違ったスタイルを取り入れるのは、リビングから視界に入る和空間をモダンに演出したり、リビングと和室にメリハリをつけるコツです。
和室のカーテンに迷ったら?
また、和室にどんなスタイルのウィンドウトリートメント(窓装飾)を選ぶべきか迷ったときは、ちょっと視点を変えて開閉方向について考えてみましょう。
たとえば、
●窓の出入りが多い和室 → 左右にさっと開くカーテンがおすすめです。
●太陽光が眩しい和室 → 上からの光を遮るプリーツスクリーンやシェードがおすすめです。
●窓の近くに家具を置く和室 → ロールスクリーンが干渉しにくくすっきりしておすすめです。
このように和室の窓環境を考えてみると、スタイルを選びやすくなる可能性があります。
左右に開くのと上下に開くのとでは使い勝手が全く違いますし、また室内での居心地にも大きく影響することになるため、使いやすさと環境が選ぶポイントになるでしょう。
また障子が設置されている場合でも、遮光が必要なときには、障子の窓にカーテンやロールスクリーンを取り付けることも可能です。
【和室の窓のカーテン選び】プロが教える「7つの窓装飾」:まとめ
最後までご覧いただきありがとうございます。
今回は、和室の窓に似合う7つの窓装飾(ウィンドウトリートメント)をご紹介しました。
昔から「和室=障子」というイメージがあるため、いざカーテンを選ぶとなると迷うのは当然だと思いますが、ご紹介したスタイルのように、和室にぴったりの窓装飾は色々と揃っています。
但し、どの商品にも「メリット」や「デメリット」がありますので、環境や開閉方向・使い勝手など何を重視するかがカーテン選びのポイントになるでしょう。
色柄や素材そしてスタイルの特徴を知って、ぜひ和室にぴったりのウィンドウトリートメントを見つけてください。
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