和室の壁紙選びについてお話しさせて頂きます。
最近の住宅には和室を作らない設計も増えてますが、それでも畳のある部屋は日本人なら落ち着くスペースです。
納得できる壁紙を使い、離れたくない和室になるよう実例を使いながらポイントを解説します。
和室の壁紙・クロス施工事例25選
25の事例を使いながら解説していきます。
赤系の和紙をアクセントクロスで使った実例。
和紙と本格的な和室の相性が非常によく、一見派手にも見えますが落ち着いた配色です。
画像の左右は薄いグレー、正面に木目調の壁紙。
正面への濃い配色で空間の広がりが表現できます。
鮮やかなグリーンが印象的。
完全な和室ではなく、和洋室といったスペースです。
茶系のカラー畳とのバランスが取れた配色です。
腰壁につかった藍色の壁紙が空間をランクアップ。
砂壁にひと手間加えることで雰囲気がガラッと変わります。
天井、壁すべてに濃い木目を使い隠れ家のような雰囲気に。
明るすぎない照明もイメージをひろげます。
和室というよりも畳スペースですが、紺の壁紙で和室を表現。
畳はどんな色でも合わせやすいのが特徴です。
ライトグレーのアクセントクロス。
このケースでも畳が色を選ばないのは確認できるのではないでしょうか。
空間に馴染んでいます。
柄のある壁紙でスペースを主張。
畳のスペースが壁紙によって強調されています。
存在感が欲しいならマネしたい手法ではないでしょうか。
トーンを合わせた3色のアクセント。
カラフルですがトーンによっては和室に良く合います。
暗めな配色で畳を強調。
天井や壁を暗めの配色にすることで畳が引き立ちます。
花柄のアクセントクロス。
花柄の壁紙は無彩色のため懐かしさや落ち着きを与えます。
腰壁に鮮やかな紅葉柄の壁紙。
ハッキリした紅葉柄の壁紙が日本の和室に良く合います。
腰壁は藍染めの和紙。
聚楽壁に和紙を合わせた日本風の仕上がりです。
コンクリート柄の壁紙でモダンな畳スペース。
畳にコンクリートを合わせたデザインですが、かなりマッチしています。
モザイクタイル柄の壁紙。
アクセントクロスが良い雰囲気のデザインです。
紹介した25点の施工事例をご覧頂いた通り「壁紙・クロス」で和室の印象は変わります。
和室の部屋としての目的を考えた壁紙の選び方
日本のみならず海外でも人気が高まっている畳のある和室、いぐさの香りや襖のデザイン、障子から入る柔らかい明かりなど和室独特の雰囲気は洋室には無い個性を存分に感じる事が出来ます。
しかし、現代において和室の利用目的を考えると、必ずしも必要な部屋では無いと割切る方も居るのかも知れません。
例えばお客様が来た時に泊まって頂く為のスペースや、大事な話や決断をする時に使う部屋という目的は、和室じゃなくても構わない訳です。
畳じゃないと寝れないと言う方でも畳を用意して洋室に敷く事も出来ます。
現代においての和室は、もはや拘りや贅沢な部屋なのかも知れません。
むしろ拘った和室を作っていくことが和室の存在を見直す機会になって欲しいものです。
和室のクロス(壁紙)について
そもそも和室にクロスを貼ること自体そんなに長い歴史はありません。
砂壁、土壁、じゅらく壁、京壁と言われる塗り壁が主流の仕上げでした。
それでも今は和室にもクロスを貼る訳ですから、日本独自の風合いを取り込み遊び心を味わえるクロスを選んで頂くようにご相談を頂いた際には勧めています。
和室のクロスを選んでいくポイント
私目線のポイントをいくつか紹介して行きたいと思います。
まず壁の構造を考える事が重要だと考えます。
和風建築で柱が見えてる真壁構造の場合と柱を隠す大壁構造(洋室の壁)では選び方が変わります。
真壁構造の場合柱が露出してますので、柱と柱の間が壁部分になります。
どうしても柱自体がアクセントの役目を持つ為、和紙や珪藻土、単色でシンプルな主張しすぎないクロスが向いてるのでは無いかと考えます。
一方、大壁構造の場合、向かない物は無いと言っても良いほど自由度が高いと考えます。
【真壁構造】
【大壁構造】
部屋の明るさはどうする?
障子を用いる本格的な和室は洋室に比べ暗くなりがちな部屋だと言えます。
それでも障子から入る自然光が好きな方には、障子は外せないアイテムです。
障子がある和室にクロスを貼る場合、白や、アイボリー等の反射率の高いクロスをお薦めします。
この事である程度の明るさを保つ事ができる空間をつくれます。
障子を使わない場合や沢山の光を取り入れる窓がある場合は明るさへの意識はそんなに必要ないので自分好みのデザインを使ってもいいでしょう。
床の間がある場合
和室に床の間がある場合、部分的に色や柄を変えるのか統一するのか、クロスを選ぶうえでは本当に楽しめる構造だと考えてます。
床の間が何のためにあるのか?どういう意味があるのか?説明は省きますが掛け軸や生け花、美術品を飾る場所ですのでクロスを目的に応じて変える事も考えたいです。
例えば、生け花が映えるような色を選ぶ事で、和室全体のグレードが上がるかも知れませんし、訪問されたお客様にセンスが良いと褒められるかも知れません。
掛け軸を飾る予定があれば、色のバランスも考慮する必要があります。
床の間だけ少し趣の違う特殊な素材を使うのも一つの手段です。
和紙調や漆喰調、織物調等、視野を広げて考えて行くとデザインの幅が広がります。
和室専用のクロスがあるのか?
クロスは見本帳から選んで行くわけですが、お客様によく和室のクロスはどこですか?…と聞かれる事も有ります。
メーカーによっては和調のカテゴリーも有りますが「これじゃないといけない」と言う制約はありません。
選んでくださいと依頼された場合、クロス選びは好みで左右される部分ですので、大まかな好みを聞きクライアントの趣味の中から上記の項目でお話しした条件を考慮し提案していきます。
もちろん和調のカテゴリーの中でしか選ばないと言う事はありません。
決められないならプロにお任せ
壁紙選びで消耗する人が多いのですが、自分で決めて失敗したくないなら「プロ」に依頼するのもひとつの方法です。
その道の専門家が500円~1000円くらいの料金で、あなたの代わりに壁紙を選んでくれるサービスもあります。
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和室のクロス選びは非常に楽しく、自分の趣味やセンスを主張してもよほどの物を選ばない限りは思い切ったチャレンジできる作業だと思います。
上記の項目で挙げた構造や環境的な部分をご自分の和室にあてはめ考慮していくと、使いたい材料が絞られ和室のクロスが決まると思います。
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