私たちの生活に欠かせないカーテン。
そのカーテンを窓に飾ったり、美しく魅せるために必要なアイテムといえば「カーテンレール」です。
カーテン選びでは素材や色柄ばかりに注目しがちですが、実はカーテンレールも隅におけないほど重要な役目を果たしています。
たとえば無地のカーテンを素朴な機能レールに吊るしても、お部屋の印象が大きく変わることはありませんよね。
けれど天然木の「木製レール」やオブジェのような「アイアンレール」といった装飾レールに吊るすだけで、無地のカーテンが一段とお洒落にみえたり、空間全体もスタイリッシュな雰囲気に変わるものです♪
もちろん機能レールにも大切な役割がありますので、住まいの環境や目的に沿ったカーテンレールを選ぶことが、居心地の良いインテリアコーディネートに繋がります。
そこで今回は、お部屋の印象を大きく左右する「カーテンレールの種類と選び方」そして「取付けの注意点」について解説したいと思います。
カーテンレールの種類
カーテンレールには「極めてシンプルなもの」から「スタイリッシュなもの」まで様々な種類があり、大きく分けると「機能性レール」「装飾性レール」「テンションポール」の3タイプに分類されます。
また、選び方も「お部屋のテイスト」や「窓の形」「カーテンの色柄」に合わせることができるため、コーディネートの巾も広がります。
では順番にみていきましょう。
①機能性カーテンレール
機能性カーテンレールは、主に角型レールやC型レールなど、シンプルで細長い形をしたカーテンレールです。
一般住宅から商業&公共施設まで、幅広い空間につかわれています。
通常、機能性レールはカーテンで隠れてしまうことが多く目立たない存在ですが、機能性に優れているため様々な窓の形に対応できるところが魅力です♪
例えば、多角形の出窓やコーナー窓には簡単に曲げることができるカーブレールだったり、カーテンの上飾りにはバランスレールというように、目的に応じて選ぶこともできます。
多くの素材はステンレスやアルミ・樹脂などで、色はホワイトやシルバー・ベージュ系・ブラウン系が一般的で、その他にも木目調のシートを張ったものがあります。
基本的にカーテンレールの使い方としては、
●カーテン1重吊りの場合は「シングルレール」(機能性カーテンレール1本)
●カーテン2重吊りの場合は「ダブルレール」(機能性カーテンレール2本)
となります。
※カーテンの上飾り(バランス)についてはこちらの記事をどうぞ。
【カーテンバランス(上飾り)】取り付け方から採寸方法まで【プロが解説】機能性カーテンレール(シングル)
こちらは、シングルタイプ(1本)の機能性カーテンレールです。
カーテンを1重吊りにするときに必要なレールです。
機能性カーテンレール(ダブル)
こちらは、ダブルタイプ(2本)の機能性カーテンレールです。
レースカーテンとドレープカーテン、またはレースカーテンの2重吊りなど、2種類のカーテンをかけるときに組み合わせて使います。
機能性カーテンレールは大手通販サイトでもご覧いただけます。
ピクチャーレール
ピクチャーレールは、「掛ける」「飾る」「置く」「吊るす」の4つの使い勝手を実現した機能性カーテンレールです。
写真や絵を飾るほかに、キッチンアイテムを掛けて収納したり、アートや植物を吊るしたり、お気に入りのポストカードやオブジェを置いたりと、ご自宅でも自由なディスプレイが楽しめます♪
ピクチャーレールは大手通販サイトでもご覧いただけます。
②装飾性カーテンレール
装飾性レールは、デザインを重視した魅せるためのカーテンレールです。
インテリア性が高く、装飾レールを使うだけで空間の印象はガラリと変わります。
なのでお部屋の模様替えや窓周りの印象を変えたいときには、カーテンだけではなく装飾レールに注目してみるのも賢いセンスアップの方法ですよ。
種類には色々なタイプがありますが、木製や鉄製、高価なものでは真鍮など、空間のテイストに合わせて選べるのが装飾レールの魅力です。
例えば、モノトーンで統一された空間にはシルバーのシャープなデザイン、温かみのあるナチュラル空間には木製タイプ、クラシックな空間にはアイアンレール、洗練されたモダン空間にはメタリック調など、お部屋のコンセプトに合わせてコーディネートを楽しむことができます。
装飾性カーテンレール(シングルタイプ)
装飾性カーテンレール(ダブルタイプ)
装飾性カーテンレールのダブルタイプには、次のような組み合わせがあります。
「装飾レール+装飾レール」
「装飾レール+機能レール」
特に「装飾レールと機能レールの組み合わせ」では注意したい点も。
それは、2本のレールが必ずしも同じ長さではないという事なんです。
つまり室内側の装飾レールにくらべて窓側の機能レールが少しだけ短くなるケースが多いので、ドレープカーテンとレースカーテンの横幅の長さに違いがでてきます。
カーテンの採寸時には、それぞれのレールの長さをきちんと測ることが窓にぴったりのカーテンを手に入れるポイントです。
装飾性カーテンレールは大手通販サイトでも様々な種類が販売されています。
③テンションポール
テンションポール(突っ張り棒)は、ネジを使わずに窓枠や柱などを利用してカーテンを付けることができるレールです。
木枠や壁に穴が開けられない場所でも手軽に使えるため、小窓のカフェカーテンなどに広く活用されていますね。
一般的なテンションポールには、カーテンを掛ける際に必要な輪っか(リングランナー)は付属していませんが、ランナーだけ別に購入できるため間仕切りや通常のカーテン用としても使えます。
最近では「リングランナー付きのテンションポール(突っ張り式)」も販売されていますよ。
カーテンレールの選び方
続いてカーテンレールの選び方ですが、特に新築のカーテン選びでは「レールは業者にお任せ」という方も多いのではないでしょうか。
自由に選べるカーテンレールのはずが、業者に提案されたままの商品で決めてしまう事があるかもしれません。
中でも「装飾カーテンレール」は想像以上に空間全体の印象を変えますので、カーテン選びの際はレールの種類もご自身でチェックされることをお勧めしたいです。
国内メーカーのカーテンレールは、オーダーカーテン専門店やカーテン通販店でも取扱っていますし、TOSOや立川ブラインド工業などのメーカーカタログからも選べます。
窓に「カーテンボックス」が設置されていたりカーテンを「天井付け」にする場合は、主に機能性レールがよく使われていますが、天井付けが可能な装飾レールも幾つかありますよ。
【天井付ができる!】お洒落な装飾カーテンレール「8選」カーテンレールを選ぶ時には、下記も参考にしてみて下さい。
予算を抑えるなら機能性カーテンレール
「カーテンの費用を少しでも安く抑えたい」場合は、機能性カーテンレールやつっぱりタイプのカーテンレールがお勧めです。
前術のように、機能レールは装飾レールに比べると目立ちませんが、価格も安くてコストパフォーマンスに優れています。
そのため新築や引っ越しの際には何かと費用がかさみ、カーテンにあまり予算をかけられないという方にもぴったりです。
機能性レールにも、様々な種類と色のバリエーションがありますので、家具や建具・そして壁紙にも合わせて選ぶことができます。
フラットカーテンを美しくみせるなら
また、フラットカーテンが欲しいけれど「ウェーブのばらつきが気になる」という方には、カーテンレール「シエロクラウド」がお勧めです。
シエロクラウドは、フラットカーテンのウェーブのばらつきを解消してくれます。
※シエロクラウドについて詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
【知って得する】これでフラットカーテンのデメリットを解消!TOSOのカーテンレール【シエロクラウド】スタイリッシュに魅せるなら装飾性カーテンレール
お部屋の細部までスタイリッシュにコーディネートしたい方は、やはり装飾レールがおすすめです。
例えば、カーテン以外の「ブラインド」や「ロールスクリーン」はカーテンレールを準備する必要がないため、カーテンを使いたい窓にだけ装飾レールに拘るというのも良いですね。
またリビングや寝室、子供部屋など「部屋ごとに装飾レールのデザインを変える」というのも、雰囲気を変えた窓周りのコーディネートが楽しめます♪
【おしゃれなカーテンレール】窓辺を美しくみせるコーディネート【32選】空間によって使い分ける
リビングのように家族や人が集まる場所は、特にセンス良く魅せたいという方も多いのではないでしょうか。
日ごろ「目立つ場所」と「目立たない場所」でカーテンレールを使い分けるのも賢い選び方です。
たとえばリビングには装飾レール、書斎や子供部屋には機能レールというように「部屋ごとにレールの種類を変える」と節約にもつながりますね。
また和室の窓で障子をカーテンに変えたいときには、壁に穴を開けずに済む「突っ張り式のカーテンレール」が活躍しますよ。
※突っ張り式のレールについてはこちらの記事をどうぞ。
【カーテンの取付け】壁に穴をあけられない時は「つっぱりレール」がお薦め!レール選びはカーテンの重量にも注意が必要!
カーテンレール選びに於いては、注意する点もあります。
それは「重量のあるカーテン」を選ぶ時です。
例えばベルベット素材や遮音カーテンなどは想像以上に重さがあり、カーテンのサイズが大きいほどレールにも負荷がかかってしまいます。
仮にレールがカーテンの重さに耐えられなくなると「カーテンレールの歪み」や「傾き」が生じますので、最悪の場合カーテンレールが落下する危険性も…。
そのため、軽量型のカーテンレールに幅が大きくてボリュームのあるカーテンを吊るす場合は、レールが重さに耐えられるかどうかの配慮も必要です。
カーテンレールはそれぞれ許容荷重に制限があり「軽量級・中量級・重量級」と3タイプに分類されてますので、カーテンの重さに耐えられるレールを選ぶことも大切なポイントですね。
カーテンレールを取付ける前の注意点
またカーテンレールを設置する前には、下記の点にも注意してください。
窓の近くに障害物がないか確認する
カーテンの測り方は、窓枠が基準ではありません。
カーテンのサイズ(横幅と高さ)は、カーテンレールの長さとレールの取り付け位置によって決まります。
そのため新築のようにカーテンレールが付いていない物件だとレールの設置場所の確認で、「ドアの扉」「壁」「エアコン」等にカーテンレールが干渉しないか確かめる事がとても重要です。
扉や壁は現場で状況がわかりますが、中でも「エアコン」には注意が必要です!
新築の場合エアコンは入居間近に設置されるケースがほとんどなので、その大きさや位置を事前に把握していないと、最悪な場合カーテンレールにぶつかってしまいます。
そのため、うっかりエアコンの配置を確認せずにサイズを測ると、レールの取付けができず無駄になるケースも…。
またカーテンレールを窓枠の上方向(壁面)に取付ける際は、壁の下地も確認することが大切です。
装飾レールの取付けには特に注意が必要!
装飾性カーテンレールには、レールの両端に画像のようなキャップや飾りが付属しています。
このような飾りは、装飾レールの種類によって形が違います。
また装飾レールの場合、カーテンの横幅を測るときには「中央のレールの長さ」になるため両端のキャップはサイズに含みません。
なので装飾レールを選ぶ際には、扉や壁・エアコンなどに干渉しないよう、レールの長さに飾りがプラスされることを考えておく必要があります。
一般的なキャップ(飾り)のサイズは約10~15cm前後ですが、とくにアイアン型の大きい飾りになると、巾は約20~25cmくらいになってしまいますので設置場所には注意が必要です。
理想的なカーテンレールの長さと取付け位置
カーテンを最も美しくみせるための、理想的なレールサイズと取り付け高です。(目安にしてください)
カーテンレールの長さ(横幅)
【機能レールの場合】:窓枠外側+約5~10cm(左右合わせて約10~20cm)
【装飾レールの場合】:窓枠外側+約10~15cm(左右合わせて約20~30cm)※これにキャップの長さをプラス
レールの横幅を窓枠よりも大きくする理由は、カーテンを開いた時に生地が窓にかぶらず開口部を広くみせるためです。
カーテンレールの高さ(取付高)
【機能レールの場合】:窓枠の10cm程度上に取り付けるのが理想的です。(壁の下地を確認)
【装飾レールの場合】:窓枠の12cm程度上に取り付けるのが理想的です。(壁の下地を確認)
レールを高い位置から取付けることによって、カーテン上部の裏側(フックが差し込んである折り返し部)が外から見えなくなるので見栄えも良くなり、さらに光漏れ防止や窓を大きくみせる効果もあります。
エアコンや壁にぶつかって装飾レールが付けられない時の対処法
装飾レールを付けたいけれど「エアコンや壁で断念」という場合は、キャップ部分を変える方法もあります。
このように、装飾レールの中でも「壁際に設置できたり」「エアコンに干渉しない」ように取り付けられる商品もあります。
1つのレールでも、キャップのバリエーションは様々。
設置場所に合わせてキャップを使い分けることができれば、装飾レールの選択肢も増えますね。
まとめ
最後までご覧いただきありがとうございます。
一見、インテリアの脇役的な存在のカーテンレールですが、デザインや色・素材にこだわるだけで、窓まわりはもちろんお部屋全体の印象まで変えられるものです。
ナチュラルな演出やスタイルッシュな演出も自由自在ですし、近年では、内装に合わせたカラーバリエーションも続々登場しています。
「カーテンをレールからコーディネートしたい」
「いつもより窓周りをおしゃれに演出したい」
そんな時は、ぜひカーテンレールにも注目してみて下さいね♪
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