親方
壁紙の結露について紹介します。
壁の結露は厄介者で、壁紙(クロス)やカーテンなどにカビが発生する事もあります。
今回は、機能付き壁紙(吸放湿壁紙など)で結露を止める事が出来るのかお伝えします。
壁紙の機能について詳しく知りたい方は関連記事よりご覧ください。
【豆知識】壁紙の種類や特徴が2分でわかる!クロスの材質や機能を解説します結露を防止する壁紙
早速、結露を抑える機能を持った壁紙を見てみましょう。
吸放湿機能の壁紙
親水性高分子ポリマーを配合しています。
おむつにも使われている親水性高分子ポリマーの働きにより湿気を吸収、結露やカビの発生を抑える効果があります。
乾燥時には、水分を放出し室内の湿度を調整します。室内とほぼ同じ湿気で壁紙自体も保たれるため、静電気が発生しにくく、ホコリや汚れがつきにくい特長があります。
サンゲツHPより引用
通気性機能の壁紙
家の中の湿気を壁を通して排出します。
壁紙自体が透湿性の高い構造になっているので、壁を通して湿気を排出、結露やカビの発生を抑える効果があります。
機能付き石膏ボードと組み合わせて使用すると、調湿やホルムアルデヒド低減などにより効果的です。
サンゲツHPより引用
珪藻土
自然素材の調湿性と風合いをいかしています。
昔から壁材として利用されてきた珪藻土は調湿性に優れ、夏は湿気を吸い、冬は水分を放出して乾燥をやわらげます。
石膏ボードとの組合せにより、結露が発生しにくくなります。ニオイの成分を吸着する消臭効果もあります。
サンゲツHPより引用
このような機能壁紙が結露を抑えることのできる壁紙です。
しかし、結露が酷い場合は壁紙だけで防ぐのは難しいと言えます。
なぜなら、結露は壁紙の下地にも大きく影響されます。
例えば、マンションなどで良く見られるコンクリート下地では、壁紙が通気してもコンクリート・モルタルが通気しないため結露を防ぐ事はできません。
つまり、吸放湿壁紙などのデメリットは「下地に影響される」という事です。
下地が石膏ボードやベニヤなどの通気する物であれば、機能性壁紙はビニルクロスと比べ格段に通気するため、結露を抑える事が出来ると言えます。
結露を抑える壁紙を使用するときには「下地の確認」が重要です。
壁紙を貼る下地の種類
壁紙の下地には、いくつかの種類があります。
ですので、ここでは下地の種類について解説します。
下地を大きく分けると、「湿式工法の下地」と「乾式工法の下地」の2つに分ける事ができます。
それぞれの種類と結露について紹介します。
湿式工法下地
湿式工法下地は、左官仕上げの下地です。
モルタル・コンクリートのように、空気を通しにくい下地を指します。
湿式工法の下地の場合、壁紙に通気性機能が付いていたとしても結露を防ぐ事は難しいと言えます。
次の記事では、湿式工法の下地が結露するときの対処方法を解説していますので、興味がある方はご覧ください。
【壁紙のかび】コンクリートに直接壁紙を張ってカビが生えた時の対処法乾式工法下地
乾式工法下地は、大工・軽鉄仕上げの下地です。
詳しく言うと「石膏ボード」や「合板・ベニヤ」を下地組みして仕上げる工法になります。
この乾式工法下地には空気の循環がありますので、通気性機能が付いた壁紙を使うことで結露を大きく防ぐ事が出来るでしょう。
一般的なビニルクロスは通気性が悪いため、乾式工法下地だとしても結露が発生してしまいます。
ですので、結露のリフォームをする場合はリフォーム業者と十分相談し対策を練ることが必要です。
結露の原因とは?
結露の原因は「水蒸気」です。
では、なぜ壁や天井、床に水蒸気が発生するのでしょうか?
冬場の室内温度は暖房器具などにより快適な温度に保たれますが、暖かい空気が冷やされると水蒸気に変わります。
室内で水蒸気が大量に発生することが結露の原因です。
機密性の高いマンションなどでは空気の循環が悪く、結露しやすい環境を作ってしまいます。
それでは、機密性の高い住環境での対策を考えてみましょう。
窓を冷やさない
窓はお部屋の中でも面積が広く、外気と触れる場所になりますので、結露の大きな原因になります。
カーテンや窓周りの対策で結露を防ぎましょう。
お風呂
お風呂の湯気も結露の大きな原因になります。
お風呂の蓋をしっかり閉めて、換気扇などで除湿することが必要です。
脱衣所・洗面所はお風呂の前室で密接していますので、壁紙や床にカビが発生する場所です。
お風呂のドアをしっかり閉めて、脱衣・洗面所への水蒸気を防ぎましょう。
湿気を取る効果のある「珪藻土」の足ふきマットも人気です。
加湿器
冬場は乾燥しますので、多くの家庭で加湿器を使いますが、結露がひどい環境では加湿器を控えると良いでしょう。
その他にも、石油ストーブにやかんを乗せたり、洗濯物を部屋干ししたり、水蒸気を出す原因を排除すると結露は抑える事が出来ます。
それでは、壁紙によって結露を防ぐ事が出来るのか?
お伝えします。
結露・カビの発生しやすい場所
結露が発生しやすい場所の代表は脱衣所・洗面所です。
上でも書いた通り、お風呂と隣接している事が原因です。
洗面・脱衣所の壁紙リフォームを書いた記事がありますので参考にして下さい。
【脱衣室】かび撃退!壁紙張り替え費用を公開「洗面のクロスにカビが生えた時の対処法」これから壁紙のリフォームをしたいという方はこちらの記事もどうぞ
【壁紙業者の探し方】5分で分かるクロス張り替え業者を選ぶ方法「クロス職人のおすすめ」結露のまとめ
結露を防ぐには換気が一番効果的だと言われていますが、お住まいの環境によっては換気出来ないこともあると思います。
除湿機は結露を防ぐ効果的な家電ですので、換気が出来ない場合は除湿機でこまめに除湿して結露を防いでください。
という事でこの記事は以上です。